エアコンと比べて電気代が高い?全館空調の注文住宅に設置するメリット

公開日:2023/01/15  最終更新日:2023/01/11


近年、家全体を快適な温度に保てるため、全館空調システムが人気を博しています。注文住宅を建てるにあたり、導入したいと考えている人も多いのではないでしょうか?この記事では、全館空調システムの仕組みや必要となる電気代などのコスト、導入にあたっての対策について詳しく説明します。

全館空調システムとは

全館空調システムとは、1台(家の広さによっては2台)の室内機をセントラル化することで、家全体の空気を調整し、室温を均一に保つシステムです。ダクトと吹き出し口を使って、家全体に冷暖気を行きわたらせます。各部屋に室内機を設置する個別空調だと、エアコンを設置した部屋しか冷暖房することができません。

その点、全館空調を導入すれば、リビング・キッチン・各居室・トイレ・浴室・脱衣所・廊下・玄関・ウォークインクローゼットにいたるまで、どこでも24時間365日同じ温度に保つことが可能です。それにより、冬場の部屋間移動による急激な温度変化が原因のヒートショックや夏場の熱中症、夜間の暑さによる寝不足などを防ぐことができます。また、ウォークインクローゼットの冷えた服を着なくてすんだり、トイレに行くのに上着を羽織らなくてすんだりするのも嬉しい効果といえるでしょう。

住宅メーカーの多くが、全館空調の場合には機械による強制換気を行う第1種換気システムを標準装備しているため、24時間きれいな空気環境を維持できるのも特徴です。また、冷暖房効率の観点から敬遠されがちな吹き抜けなどの広い空間も、全館空調ならばムラなく快適な温度に調整することができます。設計の自由度が上がるので、希望どおりの家を建てられるのも大きなメリットといえるでしょう。

電気代がかかるってホント?エアコンと比較すると…?

全館空調システムは、家全体の温度を一定に保つために広範囲を冷暖房する必要があります。また、日中仕事などで家を留守にする間も付けっぱなしなので「全館空調は個別空調よりも電気代がかかる」というイメージをもっている人は多いのではないでしょうか。

実際、家の広さなどによっては、全館空調は電気代が高くつくこともあります。しかし、近年、さまざまな企業努力により省エネ型の全館空調システムが普及してきました。全館空調を使用した方がエアコンを使うよりも電気代を節約できるケースも増えているのです。また、個別空調を採用しても、複数台のエアコンを稼働させ、それらのスイッチを頻繁にオンオフするなら電気代は高くなります。空調は室内温度を設定温度まで上げる運転起動時に1番電気を使用するからです。

そのうえ、エアコンだけでは寒い場合に電気ヒーター・温便座・ホットカーペットなどの暖房器具を使用すれば、それらの電気代も加算されます。全館空調を導入していない家庭は複数の暖房器具を使用することが多く、これらの電気代は意外と高いため、トータルの電気代で考える必要があるでしょう。

後悔しないための対策はある?

全館空調の電気代対策としては、外出時・就寝時などに設定温度を「夏は高め・冬は低めに」調整することが挙げられます。空調は運転の起動時にもっとも電力を使うため、使用しないときはオフにするのではなく、設定温度を調整することで電気代を節約できるでしょう。メーカーによっては時間単位で設定温度を予約できる機能が付いたものもあり、外出時は必要最低限の温度に設定し、帰宅前に少しずつ上がるようにしておくことで電気代を最小限に抑えることが可能です。春・秋の冷暖房が不要な季節は、換気のみ運転させるのも電気代節約に効果があるでしょう。

また、住宅の断熱性能が低いと外気の影響を受けやすく、室温を一定に保つために空調が常に最大稼働することになります。多くの電気代がかかってしまうため、家の断熱性能や気密性能がよいことが全館空調設置の前提条件です。高断熱・高気密住宅を建てられる住宅メーカーを選定するようにしましょう。

全館空調は複雑なシステムを組んでいるのでイニシャルコストが大きいうえ、一般的に導入後15年前後で修理・取り替えが発生する点にも注意してください。メーカーによるメンテナンス費用(定期点検費用・フィルター代)も年に1~2回必要になります。電気代だけでなく、イニシャルコストやメンテナンスにかかるコスト、修理・取り替えにかかるコストなども考慮することが大切です。コストは各住宅メーカーにより異なるので、事前に確認したうえで、しっかりと比較検討するようにしましょう。

まとめ

この記事では、全館空調システムの仕組みや必要となる電気代などのコスト、導入にあたっての対策について詳しく説明しました。居住空間全体を一定の温度に保つことができる全館空調は、健康で快適な暮らしを可能にする魅力的な空調システムです。全館空調だから電気代がかかるという発想ではなく、トータルで最適な空調生活を考えることをおすすめします。住宅メーカーにより設備や性能、費用などが異なるため、導入後に後悔しないよう事前にしっかりと調べておくことが大切です。分からないことがあれば、住宅メーカーに資料請求したり、電話やメールで問い合わせたりするとよいでしょう。

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